ようやく読みました。凪良ゆう先生最新作「流浪の月」
元々BL作家さんなので、そちらの作品は殆ど読破しており、
1番好きなBL作家さんです。
「美しい彼」を超える作品はなかなか難しいですよね。
ずっと年間ランキングも入ってますし。
今回の作品は一般向け小説。
たまたま公園で出会った少女(8歳)と少年(19歳)。
少年は少女たちが公園で遊ぶのを見に来るロリコン男と揶揄されていた。
少女は大好きな両親を無くし叔母に育てられるが、叔母息子からの性的いたずらを
受けるなど心身共に窮屈な毎日を送っていた。
ある雨の日、少女はどうしても家に帰りたくなく、彼に声を掛けられ、
家を捨て彼と住むことを選ぶ。
2人はお互いを享受し穏やかな日常が訪れ彼との緩やかで幸福な日々が過ぎて行く。
ただ、周囲からは誘拐と捉えらえあっけなく彼は逮捕されて2人の短い同居生活は
幕を閉じる。
でもそのわずかな時間がお互いのかけがえ無い時間となり。大人となった
少女はずっと彼の影を追い掛け続ける。
ある日ふと入った喫茶店でマスターとして働く彼に15年ぶりに出会った
事から状況は一変する。。。。
凪良さんらしい瑞々しい文章で全編描かれています。
両親との別れ、誘拐、DVなど重いテーマがずっとつきまっといるにも関わらず、
さくさく読ませて行くのはさすがの執筆力。
1人1人の人生背景が丁寧に描かれており、何重にも重なってストーリーに重みを
増します。
彼と彼女は恋愛関係と言うには異なっており体の関係は一切無い。
心で深く繋がっており、ソウルメイトと呼ぶのがふさわしいのかもしれない。
お互いが無くてはならない関係となり、ただそれを周囲は決して許さない。
DV彼氏が途中めちゃくちゃ邪魔をしてきて、まじお前は消えろ!!と思いながら
読んだけど、最後は何とも言えない解放感に溢れたラストとなっています。
読み返す作品かと言われるとちょっと違うのだけど、清涼感のある作品のため
またふっと読みたくなる機会が訪れるかもしれませんん。
今年の本屋大賞を獲ったという事で必ず実写化される事でしょう。